遠藤 君子 郡山市民生児童委員協議会連合会 会長

遠藤 君子(えんどう きみこ)郡山市民生児童委員協議会連合会 会長にインタビュー

 日 時:平成27年12月9日(水)、午前10時〜11時
 場 所:遠藤様宅


1.民生委員・児童委員とはどのようなお仕事ですか?
皆さんがお住まいの地域には、「民生委員・児童委員」という人がいます。
民生委員は、民生委員法に基づいて厚生労働大臣から委嘱され、生活や福祉に関する相談・援助活動を行っています。また、児童福祉法によって児童委員も兼ねていますので、子育ての不安や心配事などの相談に応じたり、児童の安全を守るため、見守り巡回活動などもしております。
核家族化が進み、地域とのつながりが薄くなっている今日では、独り暮らしの高齢者や障がい者、子育てや介護の悩みを抱える人などが必要な支援を受けられない状況が起きています。
そのような事態を招かないよう、常に住民の立場に立って見守り、身近な相談相手となり、支援を必要とする状況や声をキャッチして、住民と行政をつなぐパイプ役を務めています。

2.どのような活動をされてきましたか?
昭和58年から民生委員を務め、32年になります。
担当している桑野地区には3,000世帯あり、65歳以上の方が1,200人、そのうち独居者は258人。桑野方部民生児童委員協議会の民生委員12名で担当しています。一人当たり300世帯〜500世帯担当しております。 担当しているお宅を訪ねお話を伺いながら、お互いの信頼関係を築いていきます。安否確認も大きな役割ですが、同時に会話の中からひとりひとりの立場や現在の状況を感じ取り、ニーズの調査と把握をしていくことが大切です。
また、地域を歩き、通学路の危険箇所調査をしたり、夏休みなどには巡回をして子どもたちの安全を確認しています。これまでも、公園の木が伸びて視界が遮られている所の写真を撮り、行政の方にお知らせし、無事改善してもらうことができました。
それから、「高齢者と交流会」や「介護予防教室」、「子育てサロン」などを開催し、住民の目線に立ち、地域に密着した活動を行っています。そのためにも、住民にとって何が必要かと常に協議事項として取り上げ話し合いをしています。
このような活動が認められ、平成27年度第84回全国民生委員児童委員大会において、桑野方部民生児童委員協議会を「優良民生委員児童委員協議会」として表彰していただきました。

3.これまで、記憶に残っている出来事は何ですか?
東日本大震災後の活動がいちばん大きかったです。
民生委員はみんなで担当地区を毎日訪問し、安否の確認と安心を毎日毎日届けました。
初めは電話が通じないため歩いて一軒一軒訪ね、ひとりひとりの現状を確認していきました。そうして把握した状況を毎日報告し合い、避難所へ案内したり、食料、水を届けたりと3月31日まで続けました。全員の無事が確認でき、要援護者に支援できたことで大変安心いたしました。
このような状況の中「大丈夫ですか?」と訪ねていくと、「大丈夫、戦時中の思いをすれば何てことないよ」と反対に元気づけられたこともありました。すでに地震直後、断水することを予測して飲み水を汲み貯め、お風呂にはトイレや生活に使用する水を貯めて備えていたのです。戦争体験者の知恵を、反対に教わった出来事でした。
こういう経験は、後世に伝えていかなければと思いました。

4.現在の郡山市の課題はどのようなことだと感じられますか?
高齢者、特に認知症の方が増えてきていることが問題だと感じています。
認知症の方の安全、また地域の方との共存を図るためには、情報を共有することが大切です。昨今は個人情報の壁により情報が受けづらくなっているため、要援護者に支援が届くのが遅れてしまいます。
なかなか受け入れ難く、理解してもらうのが難しい問題ですが、身近な存在として民生委員が本人にも家族にも登録の呼びかけを続け、行政との橋渡しを担う必要があると思います。
また、行政には、緊急通報のシステムについて見直しを図り、住民の安全についてより良い環境の整備に努めていただき、住民のために共に協力していきたいと考えます。
それから、住民の方には、相談できる身近な存在として民生委員がいるのだということを広く知っていただきたいと思っています。

編集後記:遠藤会長は、平成26年春の叙勲において、民生委員・児童委員として長きにわたり地域福祉向上に尽力されている功績が認められ、瑞宝単光章を受章されました。
このような名誉を受章された方ですが、とても柔らかく優しい表情とお言葉でお話してくださり、温かな気持ちになりました。これからの少子高齢社会において、なくてはならない方なのだと改めて感じました。

 





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