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野口 勝宏(のぐち かつひろ)写真家にインタビュー

 日 時:平成27年9月9日(水)、午後10時30分〜11時
 場 所:安積歴史博物館


1.福島の花を撮ろうとしたきっかけはなんですか?
震災で私のスタジオも壊れ、福島のその後の混乱もあって広告関係の撮影の仕事が全て止まってしまった時期がありました。
沿岸部が津波と原発事故によって大きな被害を受ける中、自衛隊や消防・警察の方たちは本当に頑張っていました。
それを見るにつけ写真家の私には何もできていないという歯がゆい思いが募る毎日でした。
当時は草木にも触れられなかったわけですが、野山に目をやると春の花が季節通りに咲き、大地が傷つけられたにもかかわらず自分に与えられた命をつないでいました。その花に触れられないというなら、写真にこの美しさを残そう、写真で生きてきた自分にできることで何かをしたいという気持ちが花に向かわせるきっかけとなりました。


2.背景をなくして撮られている理由をお聞かせください。
風景の中で撮影される花も美しいものですが、その場合は撮影した場所や空模様など、何らの情報が含まれます。それらを取り去ることによって、花は誰の庭のものでもない自分の中だけに咲く花になります。その上で背景の無い花は、見た人それぞれの記憶や想像と結びつき、より深いところに届くものになるのではないかと思っているからです。

3.国際写真コンテストで日本人初のグランプリを受賞されての感想をお聞かせいただけますか?
また、ニコンフォトコンテストとはどのようなコンテストですか?
中学生の頃から写真の道を志した私にとって、ニコンはいつも写真店のガラスケースごしに眺める憧れのカメラでした。そのニコンフォトコンテストで評価されたことは、これまでの人生を肯定してもらったような気持ちになる非常に感慨深いものとなりました。
このコンテストは1969年から始まり、これまでに延べ39万人の応募者から154万点の作品が寄せられているそうです。
そして35回目の今回は、8万9千点の応募作品の中から私の作品がグランプリに選ばれました。今年7月に上海で開催された受賞式にはハンガリー・ロシア・ポーランド・カナダ・台湾など世界中から受賞者が集まりました。

4.今後はどのような活動をされるか予定をお聞かせください。
花は人種や言語、文化の違いをも超えてその美しさを共有できるものです。
今後の夢は世界のどこかで写真展を開催し、作品を見た人々がどのような感想を持つのか聞いてみたいと思っています。同時に、世界的に知られることになった福島には美しい花が咲き、私たちの普段の暮らしがあることを知ってもらいたいと思っています。
そして、これまで花のシールを使った子どもたちのためのワークショップがボランティアメンバーによって開催されていますが、今後も花を多くの方々と楽しむ活動に協力していきたいと思っています。

5.写真家を目指す学生や子ども達にメッセージを寄せてください。
写真が好きで写真家になろうと夢に向かって行くこと自体は私自身違和感はありませんが、君の人生を心配してくれるご両親の多くは大反対をするでしょう。特に、芸術の世界は世に認められたものにしか評価をしないからです。
世に認めて貰うためには周りの評価を気にせず己を信じ作品を制作し続けることです。
当然時間もかかります。努力したからといって作品が高い評価を受けるとは限りません。
自分なりに最大限努力したといっても作品が認められ評価される人はほんの一握りです。
その大変さを君の人生を大切に思ってくれるご両親が心配をして反対をするのです。
そんな大変な話を聞いた上でも写真で食べて行きたいと自分を信じ頑張れる者だけがやれる仕事だと思っています。

どんなに辛くとも好きな仕事に身を置ける、それだけでも幸せを感じられる世界、それが写真家の仕事だと感じています。
人生に正解など、何もないのです。
先生やご両親の意見、アドバイスをしている私もそうです。
自らの心が決めるものです。
たとえ思うような結果にならなくとも、くさらずに前へ進んでほしい。
努力したその道筋には人との出会い、努力した者にしか見えない世界があるはずです。その経験が新たな人生の夢を叶える一歩となると私は信じています。

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水野 淳子 郡山看護専門学校 副校長
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志賀 喜宏 大堀相馬焼窯元16代・あさか野焼窯元