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小山 健幸(こやま たけゆき) 郡山市立湖南小中学校長にインタビュー

日 時:平成251129日(金)、午前930分〜1100
場 所:
郡山市立湖南小中学校


.湖南小中学校はいつ創立されましたか。

湖南小中学校は、平成17年(2005年)、三代、福良、赤津、月形、中野の各小学校が統合して湖南小学校に、そして、湖南小学校と湖南中学校が一つの校舎になり、湖南小中学校が誕生しました。
今年度は統合9年目で、開校した年に小学1年生だった子どもたちは中学3年生になりました。

.校章のデザインにはどのような意味が込められていますか。

校章は湖南地区の子どもたちの希望を参考にした原案をもとに制作され、意味も子どもたちの意見が反映されています。
●2つの水芭蕉に花が9個ずつあるのは、小中の9年間を象徴しています。
●六角形の猪苗代湖は統合された5つの小学校と湖南中学校を合わせた6校を表現しています。また、水しぶきの形が「小」と「中」の文字になっています。
.湖南地区の小学校が統合された経緯をお聞かせください。

湖南地区は年々少子高齢化が進んでいます。平成14年時点での児童・生徒数は397人でしたが、平成17年には299人と100人近く減少すると予想されました。統合しない場合、平成17年度には湖南地区の小学校の半分以上が複式学級となる学年が出ることは明らかでした。
地元では、小学校の複式化を回避し、より良い環境の中で、子どもたちが伸び伸びと楽しく学べるようにしたいという思いから、平成11年に「湖南地区小学校の統合を促進する会」を立ち上げて統合小学校建設等に向けた活動を積極的に行いました。
郡山市は地元の熱意を受けて、湖南地区の5つの小学校を統合し、既存の湖南中学校の隣に新たに「湖南小学校」の校舎を併設させ、小中学校を一体的に整備するとともに、公立としては全国初の「小中一貫教育」を実践することになりました。
今後も1学年20名前後の児童生徒数は確保され、複式学級化は回避できると予想されます。


.小学校の統合にとどまらず「小中一貫校」となったのはなぜですか

小学校同様、湖南中学校の生徒数も減少し続けています。中学校1学年1学級の場合、教師は6名までと法で定められているので、免外教科担当(ある教師が、免許を持たない別の教科の臨時免許を取得して授業を担当すること)が発生することになります。
しかし、小中学校が統合することで、小中学校の先生方の交流が可能となり、小学校の先生を中学校の授業に充てることができたり、中学校の先生を小学校の授業に充てることができたりします。例えば平成
25年度は、小学校の音楽の先生が中学校の音楽の授業を担当、中学校の理科、社会、国語、保健体育、美術の先生が小学校の授業を担当しています。
そして、小学校から中学校へ進学して学習内容や生活リズムの変化に子どもが不安や戸惑いを感じて不登校や問題行動を起こす、いわゆる「中1ギャップ」も解消され、安心、やる気へとつながっています。
また、私は中学校の校長ですが、小学校の校長も兼務しています。これにより教科指導の先生を一人多く配置していただいています。このように「デメリットをメリットに」「ハードよりソフト」をコンセプトに小中一貫教育校としてスタートしました。

.湖南小中学校が開校するまでに、地域ではどのような取り組みがなされていたのでしょうか。

湖南地区の5つの小学校では、統合しても子どもたちが戸惑わないように、平成15年から交流学習を実施し、一緒の授業や合同チームで大会に出場するなどして事前に顔を合わせる機会をつくってきました。
湖南小学校の建設では、地元の財産区や婦人会から「子どもに温もりと潤いのある木材をふんだんに利用した校舎に」と手塩にかけて育ててきた貴重な杉材が寄贈されました。
また、湖南小中学校のある三代地区を除いた地区の児童生徒は通学バスで登下校しますが、「統合しても以前と変わらないリズムで登校できるように」と地域住民と連携して運行時間を決めました。


.小中一貫校としての取り組みと効果についてお聞かせください。

当校では、現行法の6・3制を維持しつつ小中一貫教育を実践しています。これは、先生の異動や児童生徒の転出入生に対応するためです。

(1)教職員の小中一体化
小中の教員が1つの職員室で生活し、会議や打ち合わせなどを一緒に行い、情報交換や話し合いが密にできる体制が整っています。
職員室が一緒であることで互いの教育活動を理解することができるようになり、すべての教職員が小学校、中学校の垣根がなく何でも話し合い、協力する雰囲気になっています。
また、小中の教員がすべての子どもに関わることができ、きめ細やかな指導や協同してのサポートにあたることもできます。

(2)授業での取り組み
小学校3年生からゆるやかな教科担任制を導入し、小中9年間を見通した指導の連続性を図ることと小学校教員の中学生への指導、中学校教員の小学生への指導を実施しています。本 来小学校の先生は1人で全教科を教えますが、中学校の先生が小学校の授業を受け持つことで余裕ができ、教材研究や児童とのコミュニケーションに時間を充て ることができます。また、小学校の先生のきめ細やかな指導、中学校の先生の専門分野の深い指導など、互いの取り組みを知り、それぞれのよさを取り入れて指 導力の向上につながっています。
また、小学校と中学校が同じ生活リズムで行動できるように、通常中学校の授業時間は1時限50分ですが、小学校と同じ45分にし、休み時間や給食・清掃時間を統一しています。不足の授業時間は「習熟の時間」を設けるなどして対応しています。

(3)教育活動の一体化、教育環境の共有化
入学式や避難訓練、運動会、壮行会、文化祭(学習発表会)などを合同で行っています。また、多目的ホールや図書室、郷土資料室、音楽室等一部の設備を共有し、中学生と小学生の交流授業も行っています。

また、小学生の一部の学年が修学旅行等で不在の時を利用し、中学生はラ ンチルームで他の小学生と一緒に給食をとり、交流給食を進めています。小中学生が共に活動する場を作ることで小学生の中学生への憧れや中学生の小学生の前 でのやる気を引き出し、自分が人に必要とされる喜びを味わう機会を作ることにも役立ったり、小学生が中学生の運営、取り組む姿から学ぶことができます。小 学校から中学校へ進学する際の戸惑いがほとんどないので「中1ギャップ」が解消されるなど、メリットはたくさんあります。
しかし、小学6年生は普通の小学校であれば最高学年ですが、本校は上に中学生がいるので、上の学年に頼ってしまう面が見られます。そのため合同で行う行事だけではなく、小学生だけで行う行事も設け、6年生に最上級生としての意識と責任を持たせるようにしています。

7.小中学校と地域の交流ではどのようなことを行われていますか。
 
小中9年間の連携を支えるには地域ぐるみの支援体制が不可欠です。

(1)民話の語り部
湖南地区は約100編の民話が言い伝えられてきた「民話の里」です。当校では表現力育成の場として「語り部の部屋」を設け、地区の民話の語り部から指導を受けて民話を練習し、 始めは恥ずかしがっていた子どもたちも、表情豊かに大勢の人の前で民話を語るまでになります。民話の語り部で表現力を磨いた子どもたちの中には、英語スピーチコンテスト東北大会優勝や郡山市英語弁論大会暗唱の部優勝などの成果を収めた生徒もおります。

(2)通学バス
子どもたちは、2030分かけて通学バスで登校します。中学生は先にバスを降りて小学校低学年児童の下車を補助したり、車内が混んだときは席を立って小学生に譲ったりなど、自然にサポートをしています。
また下校時は、中学生が部活動のため小学生と下校時間が違うため、敬老会の皆さんにサポートをして頂いています。

(3)地域子ども教室
平成
19年度から、教室を利用して共働き家庭の子どもを預かる地域子ども教室を開設しました。子どもたちの世話は地域の方がボランティアで引き受けてくださっています。この取り組みによって湖南地区に戻ってきた方もおられます。

(4)地域の人に学校に来てもらう、学校が地域に出ていく工夫
地区の小学校が統合で無くなった後、地域の方から「子どもの声が聞こえなくてさびしい」という声が聞かれないように本校は地域の人に開かれた「地域参加型学 校」として、郷土資料室の一角に、児童生徒が作成した湖南地区の5つの小学校の校舎の写真や校歌・主な沿革等を顕彰するコーナーを設け、湖南小中学校を訪 れた地域の人たちがここを見て昔の小学校を思い出してもらえるようにしています。
また、地域の方のご協力を得てだんごさしなどの年中行事や地域ボランティアとの活動、「三世代交流事業」として老人会と協力して地域に花を植えたり、猪苗代湖畔の清掃活動などに参加しています。
その一方で、学校と公民館が連携し、校内の施設を活用した保護者・地域の方向けのパソコン教室を開催するなど、地域と連携した開かれた学校づくりを目指しています。


.湖南小中学校の生徒たちにはどんな大人に育ってもらいたいですか。

私の好きな言葉で、湖南小学校校歌の中に「ふるさと湖南 誇りを胸に」という一節があります。子どもたちは進学や就職などで湖南を離れることもあるでしょうが、それでも小中学校で学んだことを忘れず、ふるさと湖南のよさを思い出し、常に母校に誇りを持ち続けていてほしいと思います。 
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